エンバーミングの効果
エンバーミングってご存知ですか?
簡単にいうと、アメリカから入ってきた
遺体の保全・修復処置です。
クリスチャンの多いアメリカでは、
亡くなった方に防腐処置をしたうえで、
土葬にするかたが、未だに約半数に
及ぶようです。
「復活」という観念があるからでしょうか。
その処置に携わる技術者を
エンバーマーといいます。
彼らは、事故や病気でお元気な時の
面影を失ってしまった方の姿を、もとに
戻してもくれます。
詳しくはこちらをご覧ください。
吉澤のリスペクトしているエンバーマー
であり、グリーフサポートの専門家、
橋爪先生のサイトです。
http://www.griefsupport.co.jp/index.html
つい先日、私の友人のお父様が急病で
救急病院に運ばれ、三日間の救命治療の
末、お亡くなりになりました。
救命のために、尋常でない量の点滴を
うけたお父様の姿には、私の知る面影は
なく、友人のご家族はショックを隠せない
様子でした。
病院では最善の処置をしてくださったの
だと思いますが、亡くなってからの処置
にももう少し配慮をしてもらえれば・・・
と残念に思います。
そこでエンバーミングを提案しました。
過去の経験から、お父様の体の様子が
更に悪くなることも予測できましたので、
その点もやお伝えしました。
一般の人にはあまり知られていないもの
ですし、ご遺体を切ったり貼ったりする、
という誤解もあるようで、友人もはじめは
心配だったようです。
「良くなるんだったら頼むよ」
と同意してくれました。
お父様をエンバーミングセンターまで
お運びすると、技術者の女性が、
静脈から薬液を注入しつつ、3時間も
かけて、ゆっくり点滴で腫れた顔や体を
優しくマッサージしてくれました。
お陰で術後は、すっきりときれいな顔に
なりましたが、お父様の元気な姿を
知っている私から見ると、「元通り」
とはほど遠いようにも見えます。
病院から直接この施設に運ばれて
すぐに処置をしていただく事ができれば、
きっと「元通り」に近い状態までもどせた
のかもしれませんが、そこら辺の連携の
難しさをあらためて思い知らされます。
再びご自宅までお運びすると、友人と
お母さんに、元通りとはいかなかった
ことを真っ先にお詫びました。
道中も、友人の家族ががっかりするの
ではないか、と気が気ではありません
でした。
ところがお父様と対面した友人たちは、
予想外に感激してくださり、「ほんとに
ありがとう」と何度も頭を下げて、握手
をしてくれました。
「これならみんなに会わせることが
できるよ。」
「おやじ、良かったな!」
その声を聞いて、ホッとしました。
状態が悪くて、みんなに顔を見せられ
なかった、なんて最悪の思い出を残し
たら辛いですもんね。
本当にお願いして良かったです。
エンバーミングの効果として、私達
葬儀社の視点で言うと、ご遺体の
状態がどう変わるのか?という所に
注目しがちです。
でも本当の効果は、ご遺族の気持ちに
現れるんですよね。
火葬が基本である今の日本では、
エンバーミングはほとんど認知されて
いないようです。
私たちがもっと上手に伝えていかな
ければいけませんね。
ですが、ゆっくりと考えたうえで、